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犬猫殺処分 年40万匹 ( 7/ 5 )

 1匹の老犬が死んだ。カメラのファインダー越し、命の火はあっけなく消えていった。

 関西の山あいにあるNPOの施設。スペックル(オス・推定10歳以上)は好物のおやつをもらい、しっぽを千切れんばかりに振っていた。女性職員が抱きかかえて「いい子だったね、しんどかったね」と頭をなでた。

 獣医師は安心しきったスペックルの前足に注射針を差した。職員たちは笑顔を絶やさず、最後まで語りかける。獣医師の親指がすっと押し込まれ薬が入ると、頭がぐらりと前に倒れた。見開いた瞳に苦しみの影はない。静かな最期だった。

 街をさまよっていたところを保護され、昨年7月に連れられてきた。新しい飼い主を探したが、心臓にフィラリアが大量にわいており、体調が悪化。安楽死させることが決まった。

 無責任な飼い主による動物虐待や置き去り、利益追求ばかりで無計画な繁殖を行う悪質な業者は後を絶たない。炭酸ガスにより殺処分される犬や猫は年間約40万匹。環境省は、罰則などを強化した改正動物愛護管理法を先月から本格運用した。しかし、引き取り手がない犬や猫を動物管理センターからもらい受け、民間の動物愛護団体などが新たな飼い主を探す構図は変わってはいない。

 病気のうえ高齢で、雑種のスペックルに新しい飼い主を見つけることは難しかった。引き取ってほしいという電話や来訪者の持ち込みは絶えず、施設での保護にも限りがある。NPOの職員は「最後にできることは、優しく抱いて怖がらせずに、安楽死させてあげること。最後まで責任を持たない飼い主は許せない」と死を見守らざるを得ない苦しい胸の内を語った。(2007年7月4日 読売新聞より引用)

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